○貯蓄
基本です。
『お金』には、普通の商品とは違う独特の性質・機能があります。
貯蔵できるという機能です。今じゃなく、将来使うために貯蔵しておく機能。
「車を買いたいから」
「いつかは家を買うから」
「老後が心配だから」などなど、
車なら数百万、家なら数千万、というお金が必要ですが、「無いからローンで」というのは安直すぎます。どんなローンでも支払総額を計算するとびっくりするくらい利子を払うことになります。その金利分、これを考えるだけでかなり生活が楽になります。金利を一杯払っている人はよく計算してください。
ローンを組まずに大きな出費をしようとすると、貯蓄しかありません。逆に貯蓄できない人がローンを組むとたいへんな生活になります。毎月貯蓄していた分をローン返済にまわす、住宅購入なら5年くらい前からこういう計画で資金を作り、ローンを組むとうまくいきます。
資産運用でゆとりを作る!なんていう記事が溢れていますが、ほとんどの人は資産運用するだけの資金がなかったりします。運用というのは○%の利回りを期待するものですから、運用するにもまずは貯蓄してその種銭を作らなければなりませんね。
貯蓄の出来ない人! あったら使っちゃう人! なくても使っちゃう人!
要注意です。
○どうやって貯めるか
まずは、サラリーマンなら天引き貯金。これが一番有効です。
若い人は年齢とともに給料が上がる場合が多いですから、1回だけ、給料の上がった分をそのまま貯金します。これを1回だけ我慢すれば、あとは自動的に貯まります。もっと頑張る人は、給料アップの度に、半分はポケットに、半分は天引き額アップへというようにすればかなり楽に貯められます。
一番いけないのは、生活が苦しくなってから貯めようと言う場合。これは相当気合いがいります。生活が苦しいのですからさらに苦痛を伴います。まず貯められないか、貯まってもわずか。
給料天引きがないなら、給料の振り込み口座の銀行で定期積立をしましょう。
余ったら貯金する、ってのは絶対貯まりません。使っちゃいます。
貯金は金利が付かないから、なんて言っている場合じゃありません。
とりあえず貯めて、ある程度まとまったらもっと有利な金融商品で運用ということもできるようになります。
ところで、貯蓄する目的がなかったらなかなか貯められませんね。
家を建てるためとか、車のため、だとわかりやすい。
実は貯蓄の目的の一つは、万が一の時の保険なんです。
「もし、けがして働けなくなったら」「もし病気になったら」「なんかの責任をとることになったら」
お金が解決する問題も多いのです。万能保険、その保険のために貯蓄する。もし貯蓄がなかったらどこかから借りてきて、、、、あとは借金が増えるという構図です。
定期預金は平日だとその日のうちに引き出せますから、半年分から1年分くらいの生活費は貯めるようにしましょう。なぜって? 今言ったように、人生にはいろいろトラブルがつきものだからです。ある日突然病気になる、事故に遭う、火災に遭う、賠償責任を負ってしまう。自分じゃなくても、兄妹がトラブルにあって出費がかさむとか、絶対いろいろありますからね。
なんとかなるさ、で何ともならない人、大勢います。私の叔父も破産しました。
○貯蓄する余裕がない人
収入を増やすか、支出を減らすかしかないです。とても単純。
ちなみに、年収が高いほど貯蓄できると言うわけではありません。
→年収500万で、毎月3万貯金できる人は、10年間では360万円の貯蓄。
→年収800万でも、月1万しか貯金しない人は、10年間で120万円。
子供でも分かります。
若い人には酷なのですが、近年企業側は正社員雇用をひかえてきているためやむなくフリーターで(特に賃貸暮らしの場合)生計をたてている場合、収入増はあまり期待できません。世帯全体での収入増も考えましょう。
母子家庭の場合も社会全体の理解不足と育児の問題があるため、やはり収入増に結びつかず、余裕がない家庭が多いようです。
フリーターも母子家庭も「やむなく」「自分で選んだ」「気が付いたらそうなっていた」といろいろなパターンがありますし、フリーターなので親と同居という最も多いパターンもあります。
ただ統計上、正社員でない人と母子家庭の生活は苦しいようです。
ほとんどの人は、生活の途中で苦しくなってきます。見通しが甘いからです。
早めにファイナンシャルプランナーに相談しましょう(誘ってどうする)。
一般的には、何らかのイベント・トラブルで苦しくなることがほとんどです。
進学・病気・転居・離婚・家族のトラブル、こんな時に一気に破綻への道に入り込む人が増えています。
「何とかなるさ」という人にまで、私は手を差し伸べたりはしません。ご自身で何とかしてください。「そうは言っても私の回りは、同じような暮らしだよ」って思う方、下記の平均貯蓄残高を見てくださいね。
ローンに追いかけられたり、貯蓄が減っていくことに不安を持つくらいならライフプランをしっかり立てて、中身のある人生にした方がいいです。人生一度なんですから。
簡単なライフプランならわざわざフィナンシャルプランナーに頼むまでもありません。ご自身で作れます。10年後はどんな生活をしているか、子供は何年生か。10年後はかならず10歳年齢が増えている。これだけを考えるだけでも、かなりのことが想像できます。
○平均貯蓄残高
総務省統計局の家計調査(平成18年)によると調査全世帯の貯蓄平均値は1722万円。
ほとんどの家庭では、こんなに貯蓄はないでしょう。これは若い人も退職金を貰った人もみんな合わせての平均です。しかも、生命保険(終身保険の積立部分)も数に入った数字です。
平均は1722万ですが、安心してください、3分の2の人は、この平均値以下です。
中位数つまり人数にして半分のところは1008万円。
すなわち、半数の人は1000万以下であるという結果になっています。
一部のお金持ちが平均を上げているとは言えますが、それでも中位数1052万。
1000万の貯金はとりあえずの目標になります。
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