◇定年後からの投資
余裕資金を把握する、無理はしない
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退職金をもらって「定期預金は利子が少ないしなぁ」と投資を考える人が大勢いらっしゃいます。損をする典型的パターン、だいたい3つあります。
●元本保証でなきゃ嫌パターン
こう言う人が引っかかるのが、「元本保全」「元本確保」「リスク限定」
こういう商品を買って、後で損害をこうむるケースがあります。
どれも『元本保証ではありません』
もしこれに引っかかった貴方、宣伝文句の罠に陥っています。今後も要注意。
投資はしない方がいいと思った方がいいかもしれません。
●株式で頑張っちゃおうパターン
株式の経験がある人が、退職金を貰って、一気に株式投資して損をするケース。
銘柄分散だけがリスク分散ではありません。
時間分散・株式と債券・国内と海外・為替と不動産投資(REIT)などを組み合わせ
なければ適切な分散になりません。日本株式だけというのは非常に危ない。
●人の言いなりパターン
銀行や証券会社、はては、聞いたことのない勧誘電話や自宅訪問で投資して
損をこうむるケース。
理解できないのはしない方が賢明。
特に、「オプション」「権利を買う」「先物」「絶対(損はさせません・
儲かります)」こういう言葉が出てきたら要注意。
「相場が下がりそうならすぐ電話して売買しますのでリスクは少ないです」なんて
のにも注意しましょう。
私の商売がら、何らかの物をお奨めすることはありますが、FPといえども神様
じゃないので、将来のことなんて絶対わかりっこないですからね。ただ、ヨーロッパ
が強いな、アメリカが弱いなぁなんていう感覚とか、為替が強くなりそうとかの、
雰囲気は掴めるものです。
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●まずは資金を分類
まず、「すぐいるお金」「予定のあるお金」「余裕資金」
これを分けましょう。
予定のあるお金の中では、税金や健康保険の支払にも注意です。
健康保険料40万。住民税で10万。固定資産税で30万。。。。。
結構必要です。
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●余裕資金から投資、まずは時間分散
余裕資金の中で投資を考えるわけですが、まず考えるのが、時間分散。
経験が豊富なら、「今が買い時」なんてわかりますが、そうでなければ、
「今年の分はこれだけ」
と決めましょう。残りは定期預金でOK。
大抵、「なんか知らないけどほとんど定期預金に入っている」みたいな人が多い。
来年以降の投資用の定期預金、なんて明確に分けている人は少ないです。
「下がった時に売らなきゃ損にはならない」
こう思っている人も多いのですが、所詮、安く買って高く売る!、お買い得な時に
買わないといつまで経っても売れません。
相場が下がって今がお買い得、と思ってさらに買って、もっと損をする。
実は私もよくあります。
まずは一年分の予算を決めましょう。
それで損が出たらそれはそれでリスクを取ったわけなので、残りの資金で再チャレンジ。
じっくりあせらず、何と言っても老後は長いわけですから。
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●種類を分散
株式と債券、国内ものと海外もの。この組み合わせは是非して頂きたいなと思います。
こういうものを組み合わせた投資信託、最初はこういうのがお勧めです。ただし、組み合わせを投資信託の会社に任せるわけですからやや手数料は高くなる。でもま、これは仕方ないです。100万払って3万円が手数料。その後毎年1万円が手数料。こんな感じ。
投信は手数料が高い。私もよく人にこういいます。
でも、一つ一つ銘柄を組み合わせるのは素人には無理だし、投資期間が10年か20年くらいですから相場が下がると戻ってくるまで時間が掛かるかも知れない。あっ、日本経済がバブルはじけて13年間ほど低迷していたことを忘れてはいけません。最近の銀行・証券の営業マンはこれを知らない人が大勢いてちょっと恐い。
「分散するからリスクが少ない」なんてのは、下げ相場では、「全体が下がっているので、ひとつくらい上がっても損します」ってのと同じ。下げ相場では、投資信託は最悪の結果になります。
私は、先の株式・債券・国内・海外 これを常に持っています。そして、時々これの比重を変えています。「なんか最近儲かっているな」なんて時に一部解約して定期預金に入れておく。「なんか最近相場が安いな」って時に買い増しする。こんな感じです。
他の選択肢としては、ま、債券の一つですが、国債。それと、不動産投資信託(REIT)。
これも組み入れるかどうかは人それぞれ。
REITはビルやマンションを建ててその賃料収入を分配するのが基本です。商業ビルなのか個人向けマンションなのか、その投資会社の財務状態はどうなのか、変動金利の借金が多いのか固定金利の借金が多いのか、いろいろ資料を集めて検討しましょう。
何度も言いますが、○○だけ。っていうのは危険です。
いろいろ分散すると、儲けも分散されるのでお得じゃないという記事も見かけますが、虎の子の資金を博打に使ってはいけません。一定の分散は絶対必要です。
不動産投資、マンション賃貸。電話掛かってきませんか?
資金が一杯あってその一部を回す。これなら反対しません。
余裕資金のほとんどが不動産投資に回ってしまうようなら反対です。
大体、不動産で収益を上げている人は、自分の目で確かめて、これだっ!って決めて買っている人。少なくとも電話が掛かってくるような不動産投資は、その人の人件費分は収益が少ないと思ってください。(つーか、危ないです。)販売手数料とその後の管理費用で販売会社が儲けて、こっちに回ってくる収益はわずか。こんなのも多い。
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●遊びとしての投資
予算を決めて、その中で、株式を買う。損してもそれはそれで良い。
趣味のひとつだ。
こんなのもいいでしょう。否定しません。
長年の人生経験があるわけですから、何か銘柄を見つけて株式に投資する。日本経済を追いかけて、新聞読むのも楽しくなる。
まずは、予算を決めておく。
これは絶対必要。わざわざ言うまでもありませんね。
ま、株ってのは、まともな銘柄(会社)なら、半分か三分の一くらいになることはあっても、めったに紙切れにはなりません。
それが許容される範囲内で予算を決めて投資する。これはアリだと思います。
あくまでも自己責任でね。
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●社会参加としての株式投資
私は将来これで一冊本が書けるかなぁなんて目論んでいます。
株式投資すると、株主総会での議決権というものが手に入ります。
昔と違って個人投資家がわんさか投資する時代になりましたから、一つ一つは小さな議決権でも一杯集まれば大きな力になるのではないか。そう思っています。
選挙で国会議員や地方議員は決まりますよね。これも一つ一つは小さな選挙権。
グローバル企業が増えてきていますから国を超えた、選挙権のような役割を担っていくのがこの議決権じゃないかと思うわけです。
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