●遺産分割
出て行った娘は関係ないなんて、意外と、思っている人が多いんですね。
「お前はもう嫁に行った身だから、関係ない!」
今の法律では、長男次男関係ありません。兄弟姉妹の相続権は平等です。遺言書がある場合は別。その場合でも遺留分という権利(子供の場合は半分)はありますから注意しましょう。
こんな誤解もあります。相続時(死亡時)の財産ではないということ。ずーっと昔にもらった財産も入ります。これでもめるとこんな風。
「お前、車買って貰ったやん」
「結婚式代、親父が出した」
「私立大の学費を出して貰ったよね」
財産を貰ったのか扶養としての義務だったのかもうぐちゃぐちゃです。
変な話ですが、要はお金で解決。手続きにみんなの判子が必要ですから、いかに気持ちよく捺して貰うか、すなわち、ある程度はお金で解決するという考えが必要になってきます。これが長引けば長引くほどあれやこれやで判子が貰えなくなる事が多い。
私は、生前なら生命保険の受取人になって貰っておくというのを奨めています。(ただし加入できる人でないといけません。持病を持っていたら保険に入れない。ま、子供に保険を掛けるって言う人もいますけど) でもって、その生命保険証券と引き替えに判子を捺して貰う。 詳しい人はご存じでしょうが、生命保険は相続放棄の場合でも受取人は受け取れます。だから借金が残っている時でも貰える。そして、相続税対策にもなる。いろいろいいことがあります。そんでもってあとは交渉のテクニック。
例えば兄妹の交渉として、
兄「死んだ親父は、知人○○さんの連帯保証人になっていた、もし○○さんに
何かあればかなりの借金を相続することになる。だから妹のお前は
相続放棄(※)をして欲しい。」
妹「でも今相当の財産あるでしょ。」
兄「ここにお前の受取人の保険がある。もし相続放棄の印鑑を捺してくれるなら
この保険証券は置いていくからお前が受け取ればいい。これでどうだ」
※相続放棄は3ヶ月以内です。(だからこういう事は早いこと決めるのが良い)
実際には相続財産をすべて列挙してしっかり遺産分割協議書を作る方が良いと思います。妹も疑心暗鬼にならずに済むしね。司法書士に頼めば不動産の登記変更も合わせて数十万の出費になりますが、あとからあとから判子捺してくれと頼むより安上がりになることも多いし、気持ちよくすっきりさせて終わらせる、という価値が一番高い。
手続きの順番など、下の「相続相談」にも簡単にまとめてあります。
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